退去費用が払えないとどうなるんでしょうか?
退去費用が払えなければ本人にも連帯保証人にも督促がきますし、最悪の場合、裁判になる可能性もありますね。
アパートやマンション等の賃貸物件を退去するときにかかる退去費用。通常は入居時に預けておいた敷金が退去費用に充てられ、残金は借主(入居者)に返金される仕組みとなっています。
ところが、そもそも敷金を預けていなかったり、家賃の未払い分や修繕費等で費用が敷金より高額になった場合は、発生する修繕費等の全額もしくは不足分を退去後に支払わなければなりません。
このページでは、賃貸物件の退去費用が払えないとどうなるのか、高額な敷金請求に対応する前に知っておきたいこと、請求額に納得がいかない場合の対処法など、まとめて詳しく解説します。
退去費用を払えない!払わないとどうなる?
退去費用は通常敷金を充当することになるため、退去費用が数十万かかったとしても追加の出費が発生しない、もしくは少額の追加負担で済む場合もあります。ですが、引っ越し資金や新しい賃貸物件等への資金も必要で、敷金の返金をあてにしていた場合など、支払いが難しくなってしまう場合もあるでしょう。
特に、退去費用は退去してからでないとわからず、予定を立てるのも難しいですよね。
ですが、請求された金額を払えないとしても、連絡もなしに払わずにいれば、催促の電話や通知がきます。賃貸保証を利用している場合は、賃貸保証会社から督促されます。
それでも対応しないでいれば、連帯保証人にも連絡がいくでしょう。最終的には内容証明等の通知が届き、裁判沙汰になる可能性もゼロではありません。
払わなければいけない退去費用であれば、期日までに支払いを済ませましょう。
お金が入る予定はあるものの、期限までに現金が用意できない場合には、24時間365日、即日融資可能なカードローンを利用する方法もあります。
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いずれ、何もせずに退去費用の請求が消えてなくなることはありませんので、払えない場合は事情を説明して相談することをおすすめします。
場合によっては、支払い期限を延ばしてもらったり、分割払いでの返済にしてもらったりできる可能性もあります。
でも、退去費用が高すぎるんですよ!本当にこれって払わなきゃいけないお金なんでしょうか?
不当に高い退去費用を請求される場合もありますので、支払わなくていい費用も知っておきたいですね!
退去費用が高額で払えないときに覚えておきたいこと
賃貸物件の退去費用は、居室の使い方や居住期間等によって個々に請求される金額が異なりますが、請求する家主や管理会社によっても異なります。
通常は退去時に立会をして、双方で修繕が必要な個所等の確認を行い、事前に大まかな修繕項目を把握したうえで退去しているはずですが、最終的な手続き段階で費用が予想以上に高くなることもあるでしょう。
なかには、不当と思われるような請求をされるケースもあるので、退去費用の内容は精算完了前にしっかりと確認することが大事です。
最近は設備関係の資材等も値上がり傾向にあり、ものによっては請求額がこれまでの相場より高くなってしまうケースもあります。
わからないことは確認してスッキリさせましょう。
契約書に記載されている内容を確認しよう
退去時に入居者が負担すべき費用については、賃貸契約書に記載されています。契約時にも説明を受けているはずですが、退去前にも書面でチェックしておきましょう。
ハウスクリーニングや鍵交換の費用等は、契約書に入居者負担と記載されていることが多いですね。
ペットOKの物件であれば、退去時のクロス(壁紙)貼り替えが条件となっているケースもあります。
経過年数で請求できる金額が異なる
賃貸物件の退去費用についてはトラブルが発生しやすく、これに対応して、国土交通省が「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を公表しています。
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は、退去時のトラブルを避けるために、原状回復で家主側と入居者側、それぞれが負担すべき費用の目安等を示すものです。
このガイドラインには「経過年数」による考え方が導入されており、設備を設置してからの年数が経過しているほど、入居者側の負担割合も軽くするのが適当であるとしています。
もちろん、年数が経過していたとしても、善管注意義務を怠ったり故意や過失によって破損させた場合には費用が発生しますので、善良な管理者として大切に使うのが基本です。
退去費用で請求された内容に疑問がある場合は、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」もチェックしてみましょう。
→ 国土交通省住宅局「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
入居者が負担すべき費用
賃貸物件を退去する際には、大きくわけて以下の2種類の損耗が発生しています。
- 経年による変化
- 入居者の故意や過失等によるもので、通常では発生しないような損傷
基本的に、経年による劣化は家主側が負担するもので、入居者が負担するのは自身の故意や過失等によって、汚損・破損等を発生させてしまった部分の修繕費や交換費用です。
例えば以下のような費用は、入居者が負担することになります。
- 居室で喫煙していた場合の壁紙交換
- 入居者が壊したものの修理や交換
- 入居者がつけた居室内の傷やビス穴
自分がタバコを吸わなくても、友人が遊びにきたときに居室でタバコを吸っていれば壁紙交換を求められることもあります。
例えばエアコンクリーニングは、一般的には家主負担となるところですが、喫煙でエアコンからもタバコ臭がするような問題が発生していれば、入居者に請求されることとなるでしょう。
日頃の手入れが悪く損耗が激しかったり、家具などをぶつけて壁に穴を開けてしまったり、壁にものを掛けるためにビス穴を開けたり、テープでポスター等を貼って剥がしたときに塗装が剥げてしまったりすれば、入居者の費用負担で修繕することとなるのが一般的です。
入居者には「善管注意義務」もあります。善管注意義務とは、大家さんから借りている物件を「善良な管理者」として保存すべきとする、民法で規定されている義務のことです。
ちょっとした故障が発生したのにそれを放置して、大きな修繕になってしまったような場合は、入居者が善管注意義務を怠ったということで責任を負うこととなります。
例えば、キッチンの換気扇掃除をせずに油汚れを放置していた結果、換気扇が故障して交換が必要になった場合などです。換気扇の掃除をしていれば故障も発生していなかったようなケースでは、入居者の善管注意義務違反となり、入居者の費用負担が求められます。
これらの事例のように入居者側になんらかの責任がある場合は、基本的に負担を逃れることはできません。
一時的に手持ちがなくて支払えない場合は、いつでもWebだけで最短即日、現金の借入れができるカードローンを活用する方法もあります。
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貸主が負担すべき費用
誰が住んでいても同じように劣化する自然損耗の範囲については、基本的に貸主(大家)負担となります。
トイレやお風呂の水回りに必ずあるパッキン等は、誰が使っていてもいずれ消耗するものですよね。
喫煙していない、ペットも飼っていない、落書きやシミなどもない状況で、クロスの変色が発生するのは、基本、経年劣化として避けようのないことであり、これらの場合の修繕費は貸主が負担すべき費用です。
経年劣化で壁紙を交換する費用は、次の入居者のために居室をきれいにしたりグレードアップしたりするために行うものであり、入居者が負担する必要はありません。
ちなみに国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」には、壁紙の一部分に落書きがあってクロスを張り替える場合、「全体を交換しなければ色が変わる」などといった理由で全面交換の費用全額を入居者に負担させるのは妥当ではないとしています。合わせて、入居者ばかり不利にならないように費用負担割合を決めるべきであるといった内容も記載されています。
関係ない部分まで全額負担する必要はないということですね!
退去費用に納得いかないときの対処法&相談窓口は?
退去費用に納得がいかないんです!どこに相談したらいいんでしょう?
まずは請求元に確認ですね!
退去費用に納得がいかないときは、支払いをする前に請求元に内容をしっかりと確認しましょう。
退去費用で請求させる金額には様々な項目がありますが、ときには「なぜこれが?」と疑問に思うような費用が記載されていることがあります。
不当な請求であれば、金額を減額してもらえる可能性があります。根拠を示して冷静に交渉してみることをおすすめします。
数十万円の請求が数万円になるようなケースもありますので、おかしいと思ったら遠慮せずに直接問い合わせしてみることです。
退去費用は、状況次第でどちらが負担すべきか判断が難しいケースもあります。
請求元に相談しても対応してもらえない、回答に納得がいかない場合は消費者ホットラインや国民生活センターの相談窓口の利用を検討してみましょう。
消費者庁「消費者ホットライン」連絡先 局番なしの188
→ 国民生活センター
弁護士等専門家に依頼してアドバイスしてもらいたいものの費用がないという場合は、法テラスで無料法律相談が利用できないか確認してみましょう。
法テラスとは、法的なトラブルに対処・解決するために国が設立した司法の支援センターです。
→ 法テラス
退去費用が高額になる理由は?
退去費用が怖くて引っ越せないんです!退去費用ってどれくらいかかるんでしょう?
住む年数や住まい方によっても変わってきますね。賃貸物件に住む場合は、退去費用が高くなる原因を把握しておくといいですよ!
退去費用が高額になる原因は複数ありますが、具体例としては以下のような事例が挙げられます。
- タバコのヤニや匂いで部屋中のクロス貼り替えが必要な場合
- 結露や湿気を放置したことでカビが発生したり下地まで傷んでしまった場合
- ペット飼育不可の物件でペットを飼育し、部屋の汚れや匂いがある場合
壁紙の貼り替えは、平米1,200円から1,500円程度が相場ですが、さらに値上がり傾向にあります。部屋全体の交換となれば、万単位で費用がかかるものです。
喫煙によるクロスの汚れ等は入居者負担になりますので、退去費用を抑えたいのであれば、部屋ではタバコを吸わないようにしましょう。
結露や湿気をこまめに拭き取らず放置していれば、カビが発生しやすくなるだけでなく、壁紙の下地や土台、フローリングまで腐らせてしまうこともあります。土台から修復が必要となれば、修繕費用も高額になります。
気密性の高い住宅では、特に湿気がこもりやすいので、こまめな換気やお手入れが必要ですね!
ペット可物件でも、修復費用はペットによる引っかき傷や匂い等が発生しやすく、高額になりがちです。
ペット飼育が禁止されている居室で飼育をしていた場合は、賃貸借契約に違反したということで違約金等の請求が発生する可能性もあります。
退去費用が払えないときは相談してみよう
退去費用が払えないときは、まずは請求元の家主や管理している不動産会社に相談してみましょう。
支払いを待ってもらうか、分割にしてもらうか、何かしら対応してもらえる可能性があります。
給料日やボーナスまで、短期的に現金がない場合については、最短即日で現金の借入れができるカードローンを利用すると便利です。
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契約書にあらかじめ記載されている費用や、自分に責任がある損傷等については、負担義務がありますが、誰が住んでも自然に発生するような経年劣化については、そもそも入居者が負担する必要がありません。
退去費用の精算時に不明な金額、納得のいかない金額がある場合は、支払う前に賃貸借契約書の記載事項や特約等も確認して、払わなくていい費用まで負担しないように対処する必要があります。
直接相談しても解決に至らない場合は、公的なサービスを利用して、専門家に相談してアドバイスをもらうのがおすすめです。