友人が中絶費用を払えないと困っています。どうやって解決すれば良いでしょうか?
中絶費用を払えないときの対処法や、保険が適用されるケースを解説します。
中絶費用が払えない!お金がないときはどうする?
意図しない妊娠で中絶を決断し中絶費用の支払いに困ったら、1人で悩まず周りを見渡して、頼れるものや人に力を貸してもらいましょう。
パートナーや親に頼るだけでなく、お金を調達するツールは意外なところにもあります。
パートナーに相談する
妊娠は女性だけの問題ではないので、パートナーと協力して解決しましょう。性交は男女揃わないとできないことです。避妊をしない相手の男性にも責任はあります。
合意の上での性交で妊娠が発覚したら、パートナーも中絶費用を負担して男女で折半するのが理にかなっています。まずはパートナーと話し合って一歩を踏み出してください。
高校生や未成年など、まだ未熟な年齢だとパートナーに迷惑をかけたくないと引け目を感じる女性もいるかもしれませんが、妊娠の事実や出産可否を男女で考えることはとても大事なことです。
中絶手術は、母体保護法に基づいて同意書を記入する必要があります。同意書にはパートナーの署名も必須なので、女性1人で解決するのは物理的にも不可能。
ただし、次のようなケースでは、中絶同意書なしで手術できます。
- 強制性交(強姦)などにより妊娠してしまった
- パートナーが亡くなっている
- パートナーが分からない
基本的に特定のパートナーと双方の理解を得て性交した上の妊娠ならば、男女間でコミュニケーションをとって費用の問題を解決するのが理想的でしょう。
親に相談する
中絶するための高額な金額を自分で用意できない場合、まずは親を頼ってみてはいかがでしょうか。
親には相談しにくい、したくないと考える方もいるでしょう。ですが、あとから知られる可能性もゼロではありません。
もし未成年であれば、親の同意なしに中絶手術をすることもできません。
一時的に非難されるかもしれませんが、親御さんに相談すれば、親身になって考えてくれるのではないでしょうか。
後々のことも考えて、親に相談しておくと安心でしょう。
生活を見直す
自分とパートナーが仕事をしていれば、なんとかして費用を捻出できないか、生活スタイルを見直してみましょう。
携帯代を格安SIMにしたり、外食の回数を減らして自炊にする、飲みに行く回数を減らすなど、工夫次第では万単位の節約になります。
不用品や贅沢品があれば、フリマサイトやネットオークション等で売るのもいいでしょう。ブランドものなど、リサイクルショップに買い取ってもらうより、ずっと高く売れます。
即全額を用意できるわけではありませんが、いくらかは足しになるでしょう。
クレジットカード対応の病院を探す
一括での支払いが難しいと場合は、分割で支払いができる病院を探してみるという方法もあります。
中絶手術はほとんど場合で100%実費の高額医療になるので、検索してみると分割での支払いが可能な病院も存在します。
病院で分割に対応していなくても、クレジットカード対応でれば、クレジットカード会社の分割サービスを利用する方法もあるでしょう。
生命保険で借りる
積立式の保険に加入している場合など、積立金に応じて借り入れができる契約者貸付といったサービスを提供していることもあります。
掛け捨ての保険ではこういったサービスはありませんが、満期返戻金等を受け取れるタイプの保険に加入しているならば、保険の担当者に相談してみるといいでしょう。
もちろん、金利はかかりますが、借入れに審査など必要もありません。
ただし、契約者貸付を利用して返済しないまま満期まで放置していると、満期返戻金からそれまでに加算された金利を含めた借入金を差し引かれますので、この点には注意が必要です。
カードローンで借りる
ここまで紹介した方法だけでは、十分なお金が確保できない場合は、24時間いつでもスピーディーに現金の借入れができるカードローンを利用する方法があります。
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中絶費用に保険は使える?
中絶費用は、時期とシチュエーションによって保険適用可否が異なります。妊娠期間も保険を利用するにあたって大事なポイントになるので、中絶を決意したら、自分がいつ妊娠したのかも正確に頭に入れておきましょう。
初期中絶は保険適用外
妊娠12週までの初期妊娠時の人工妊娠中絶手術は、保険対象外です。本来妊娠も出産も病気ではなく、赤ちゃんを迎えるための希望に満ちた人生の分岐点。中絶は自らの意思と責任で新しい命の誕生を妨げる行為なので、医療や国の手ほどきを受ける許可が下りないのです。
初期中絶でも母体や胎児に危険や異常があるとみなされると、保険適用になるケースも。以下の事態では、初期妊娠であっても保険適用になるので、当てはまる人は堂々と保険を利用しましょう。
- 流産経験がある女性
- 性犯罪で妊娠してしまった女性
- 病気や体調の影響で妊娠時に母体が危険な状態にあると判断された女性
流産経験がある女性は子宮内の状況が正常でなく、健康に影響がある可能性があります。性犯罪によって妊娠した女性はその後精神的にダメージを負い、悲しみを抱きながら生活しなくてはいけません。病気によって健康上危険があると判断された女性も、これからの生活が妊娠によって大きく左右されるでしょう。
「患者」「被害者」と判断されると、例外的に保険適用条件に当てはまります。産婦人科で自分が妊娠した経緯や体調を相談して、費用の負担範囲を確認しましょう。
中絶費用に保険が適用されるケース
中絶には健康保険が適用されるケースとされないケースがあり健康保険が適用されるケースとしては、以下のような事例が挙げられます。
- 妊娠継続に、母体が耐えられないと判断された場合
- 子宮内で胎児が死亡し、手術が必要となった場合
医師による診療や手術、投薬等が必要となれば保険適用となります。
医療的な問題がなく、自分の事情によって中絶する場合は保険適用外となります。
高額療養費制度は使える?
合意の上の妊娠や母体の健康上トラブルのない妊娠など、保険適用外の妊娠中絶手術では高額療養制度は使えません。保険適用とジャッジされた中絶手術なら、高額療養制度の利用が可能です。
妊娠中絶手術を受けるからといって、絶対に高額療養制度対象外になるわけではありません。もしあなたがショッキングな事情やリスクを負って妊娠しているのなら、保険適用と診断を受けて高額療養制度を使い中絶手術費用の負担額を堂々と軽減してください。
医療費控除の対象にはなる
通常の初期妊娠による中絶手術は保険適用外ですが、医療費控除の対象にはなります。体保護法に基づいて以下のような手術を受けるなら、医療費控除の対象となるのです。
医療費控除は暫定的に医療費を自分で全額負担して後から控除で一部を返金してもらうシステムで、まず手元に手術代を用意することが不可欠。自費で支払うことが医療費控除を受ける入り口なので、なるべく入院当日までにどうにかして現金を調達しておきましょう。
- 母体保護法のもと医師が中絶を勧めたケース
- 母体保護法指定医師が執刀した中絶手術
医療費控除は確定申告時に分娩機関の領収書を提出するので、タクシーやバスで通院したら領収書を忘れずに保管してください。マイカーのガソリン代は対象外です。
中絶費用の助成金
中絶手術の費用支払いに困っている人は、妊娠状況や就労環境を鑑みて助成金という救いの手が差し伸べられることを知っておきましょう。
- 妊娠中機に手術を受ける
- 健康保険に加入していて働いている
- 性犯罪で妊娠した
上記のような女性は、助成金で中絶料金支払いの悩みを少しでも和らげてください。
出産育児一時金
妊娠中期に中絶手術をするなら、出産育児一時金を受け取って経済的な重圧を減らしましょう。健康保険に加入している女性が妊娠や出産をすると受給できるのが出産育児一時金ですが、中期中絶手術も対象となっているので該当する女性は胸を撫でおろして申請してください。
妊娠は、下記のように3つの時期に分けられます。
時期 | 周期 | 手術方法 |
---|---|---|
妊娠初期 | 妊娠12週未満 |
|
妊娠中機 | 妊娠12週以降~22週未満 | 分娩 |
妊娠後期 | 妊娠22週以降 | 手術不可能 |
妊娠中期の中絶手術で出産育児一時金を支給してもらうなら、健康保険への加入が欠かせません。
具体的には、下の表のような金額が支給されます。
手術を受けた病院 | 金額 |
---|---|
産科医療保障制度加入の病院 | 42万円 |
産科医療保障制度未加入の病院 | 40万4,000円 |
中絶費用を支払えず困っている女性にとっては、目もくらむような金額です。
出産手当金
健康保険に加入していて働いている女性が妊娠中絶手術を受けると決意したなら、出産手当金給付制度で中絶費用に対する不安を緩和しましょう。
- 出産のために仕事を休んで給料を全くもらえなかった
- 給料が出産手当金の額よりも少ない
出産手当金は上記のような事情で医療費の支払いが困難な女性に支給されますが、中絶手術を行うときにも付与されます。給付範囲は、妊娠が判明した日から術後当日までです。
性犯罪被害者への医療費にかかる公費負担制度
暴力や脅迫など性犯罪被害で妊娠してしまった女性は、公費負担制度を用いて厳然とした態度で中絶費用を全額負担してもらいましょう。被害者は守られるべき存在です。何も臆することなく公費負担制度利用を申し出ましょう。
公費負担制度では中絶費用以外にも、中絶に関係する次のような様々な条目の金額を負担してくれます。
- 診察料
- 診断書料
- 避妊薬
- 性感染症検査費用
公費負担制度は、まず警察への相談というアクションを起こす必要があります。少し緊張しますが、自分の現状を警察に相談してみましょう。
中絶手術にかかる費用相場
妊娠がわかってもなんらかの理由で育てられない場合は中絶という判断を下さなければならない時がありますが、理由により中絶の費用は変わってきます。
どのような理由なのか?をケースバイケースで費用とともに見ていきましょう。
初期中絶手術にかかる費用相場
医師の判断以外での中絶は全て実費となり、中絶手術は妊娠からの日数により異なります。
中絶費用の相場は、下記のとおり。時期によって金額が大きく異なります。
周期 | 費用 |
---|---|
〜8週目まで | 10万円〜20万円 |
〜10週目まで | 10万円〜20万円 |
〜12週目まで | 10万円〜20万円 |
12週目以降〜 | 30万円〜50万円 |
12週目までは初期中絶ですが、妊娠中12週目以降は中期中絶となり、出産と同等の扱いで中絶することになるため、入院が必要で、母体が受けるリスクも負担する費用も高額になります。安全性や手術費用のことを考えるのであれば、12週目以降の中絶手術は避けたいところです。
病院に行ったからといって、すぐに中絶手術をしてもらえるわけではありません。事前の診察や検査、手術等の予約も必要ですから、本当に中絶するのかパートナーとよく相談して、早めに医療機関に相談しましょう。
中期中絶手術にかかる費用相場
人工妊娠中絶手術が可能なのは、妊娠21週目まで。22週目以降の中絶手術は法律よって禁止されています。
妊娠12週以降、21週目までに中絶した場合は、死産として「死産届」の提出や胎児の火葬による埋葬が義務となっています。
妊娠4ヶ月(85日)以上での妊娠中絶では、加入している健康保険等に出産育児一時金を請求可能です。
出産育児一時金の支給等、出産に関する支援制度等については、以下の記事を参考にしてください。
中絶費用の負担問題!パートナーの支払い義務は?
パートナーが中絶費用支払いを快諾してくれたとしても、法の下で「中絶費用は絶対に折半」と定められているわけではありません。
男女間のダメージや生活に関する不自由さを考慮すると、状況によっては男性が多めに負担するのが相場とされるケースも。デリケートな問題ですが、同時に大事な取り決めでもあるので、パートナーとの費用負担割合をどうすべきか一緒に考えましょう。
中絶費用は折半が基本なのか?
時と場合によりますが、中絶費用の支払い負担は同意の上であれば折半が原則です。法律で決まっているわけではありませんが、責任問題の見地から中絶費用は男女で半分ずつ出し合うのが一般的とされています。
暗黙の了解として、多大なダメージを負った女性に誠意ある対応をするなら男性のほうが費用を多めに負担する手段も。どの方法が絶対的に正しいと言い切ることはできませんが、話し合いもなしにどちらか一方が全額負担するような不平等なことはあってはならないと思っておきましょう。まして男性が中絶費用を一切払わないで義務を放棄することは許されません。
今あなたとパートナーが中絶費用支払いにおいてとるべき最善の行動を、今一度考えてください。
中絶費用全額を男性に請求可能なケースとは?
中絶費用は二人で話し合って負担割合を決定するのが基盤ですが、例外的に男性に全額請求できるパターンも。
次のような境遇で中絶を選択した女性は、男性に中絶費用を全額請求する権利があります。
- 強制性交(強姦)されて妊娠した
- パートナーからの強要や暴力で妊娠した
強制性交は、刑事告訴で強制性交罪に問うことも可能。妊娠はそもそも女性が傷つきながら体験するものではありません。もし心や体に痛みを追った状態で妊娠したなら、持てる権利を行使して中絶に費やす金額を男性に突きつけましょう。
中絶で慰謝料請求はできる?
中絶を選択した女性は、陥った事態によって男性に慰謝料を請求することも可能。
精神的・肉体的に堪え難い苦痛を感じていませんか?もしかすると、慰謝料を請求して余分な負担を削ぐことができるかもしれません。
慰謝料請求できるケース
中絶時に慰謝料を請求できるケースは多種多様ですが、男性側に悪意があるとみなされれば慰謝料請求が認められます。
以下のような状態で妊娠すると、男性に慰謝料要求が可能。
- 同意のない性行為が行われた
- 男性が妊娠に対する責任を負う気がない
- 妊娠したものの不当な理由で婚約破棄された
- 日常的にDVやモラハラなどが行われていた
- 不倫をしているパートナーが離婚を原因に中絶を言い渡した
- 既婚者男性が独身だと偽って肉体関係を築いた
中絶に至る経緯も、慰謝料請求の大事な判断材料です。女性が置かれている状況によっては、中絶自体が慰謝料増額につながるケースも。
不条理な理由でお腹に宿した命を失うのなら、その理由を正当なものとして男性に提示しましょう。
慰謝料請求は弁護士に相談を
中絶に関して自分では対処できないことも、弁護士に相談すればいとも簡単に解決策を見いだせるでしょう。
弁護士に依頼すると費用はかかりますが、現状を打破する合理的な救済措置をともに模索してくれます。もし弁護士費用を捻出することも難しいなら、法テラスと話し合いましょう。
法テラスでは債務整理の代金立て替えなどにも取り組んでおり、生活保護受給者は立て替え金償還の猶予や免除が保証されています。法的に立場の弱い人に相談に良心的にのってくれる駆け込み寺のような法テラスを利用して、少しでも不安を拭い去りましょう。
法テラスの電話番号は、0570-078374です。営業時間を表にまとめたので、営業終了までに電話をかけましょう。
曜日 | 営業時間 |
---|---|
平日 | 9時~21時 |
土曜日 | 9時~17時 |
法テラスへの相談は無料です。気軽に連絡してください。
中絶手術以外にかかる費用も忘れずに
中絶の手術が終われば、それでお金の問題が解決というわけではありません。
12週目以降に中絶した場合は、死産として火葬による埋葬も義務となっており、その費用が必要です。
火葬や埋葬を業者に依頼して5万円~10万円ほど、さらに供養をする場合には20万円~50万円ほどかかります。
術後の通院やメンタルケア等が必要になれば、別途医療費も発生します。
中絶費用で困ってもこれだけは絶対NG
中絶費用に困っても、自ら危険に飛び込むような対処法には絶対手を出さないでください。
違法診療やヤミ金など、心が弱った女性に漬け込んで、あくどい手法を持ちかける団体に注意しましょう。
違法診療を行う病院で中絶する
お金のことや人目を気にして違法診療を行う病院に依頼することだけは、絶対に避けてください。
- 親に中絶をバレたくない
- 通常の医者より安いからだから
上述のような理由で、違法な医療機関で中絶手術をする女性も少なくありません。一般的に15万円以上する中絶手術と比較して違法診療は安価で、5万円程度で承るケースもありますが、違法診療は犯罪です。手術を受けた側も施術した側も、犯罪行為に手を貸したことになります。
親やパートナーなど周囲の人に打ち明け、力を合わせて乗り越えましょう。手術は合法的なクリニックで安全に臨んでください。
ヤミ金からお金を借りる
危険なヤミ金に関わる前に、まず正規の消費者金融や銀行などの金融機関に相談しましょう。
ヤミ金はどんな人にもお金を貸してくれますが、逆を言えばどんな手段を使ってでも返済を求めてきます。1日に100回以上を常軌を逸した頻度で取り立ての電話をし、家族や兄弟にまで借金地獄に引き込むのです。
女性がヤミ金からお金を借りれば、精神的にも肉体的にも危険な目に晒されるリスクが高まります。住所や顔写真を悪用されて、誰の手も届かない恐怖の淵を彷徨うことになるでしょう。
もしどこかからお金を借りるとしても、ヤミ金を使うよりクレジットカードのキャッシングや消費者金融のカードローンのほうが自分自身を守ることにつながります。
カードローンなら初回借入で一定期間金利手数料無料になる企業もあるので、結果的に支払いストレスから解放される可能性もあるでしょう。
中絶費用が払えないときは身近な人に相談を
中絶費用を支払えないことを憂いている間にも、お腹に宿った命は成長しています。1人で悩んでいるうちに母体にも胎児にも悪影響があれば、中絶手術も難航するでしょう。まずはパートナーや家族など、身近な人に今抱えている中絶の意思を吐露してください。
中絶手術費用は妊娠期間によって保険適用外になりますが、多くのケースで助成金を受け取ることが可能。妊娠や出産だけでなく、中絶もあなたの住んでいる地域や国が手助けしてくれる女性の選択肢なのです。
中絶を決意したら1人で悩まず、まずは前に進む決心をしてください。