通販の未払いには、時効があるのでしょうか?商品代金を支払えないので、踏み倒そうと思っているのですが…。
通販の未払いに時効はありますが、踏み倒しは不可能です。踏み倒しをすれば、様々なリスクが発生します。何故踏み倒しをしてはいけないか、確認しましょう。
通販の未払いにも時効はあるが…
通販の代金未払いにも時効はありますが、踏み倒しは基本的に不可能です。
後払いで商品を購入した際、時効を利用して料金を踏み倒そうと画策している人もいるでしょう。
時効はあるのに何故踏み倒しは不可能なのか、解説します。
通販の未払いの時効は2年?それとも5年?
通販の未払いの時効はかつては2年でしたが、2020年4月1日から5年に改正されています。
商品代金未払いの時効は、民法の消滅時効に関する規定旧173条1号で、2020年3月まで以下のように定められていました。
「生産者、卸売商人又は小売商人が売却した産物又は商品の代価に係る債権は、2年間行使しないときは消滅する」
しかし、旧173条1号は、2020年4月1日の民法改正をもって、民法から削除されています。
改正により、現在の通販代金未払いの消滅時効は、5年に変更されたのです。
一般の債権消滅時効は、通販の消滅時効改正後と同じ5年に設定されています。
通販で商品を購入した場合でも、時効に関しては、一般の債権と同じ扱いになったのです。
5年経過して時効援用を主張すれば、通販の代金を支払わなくて済むのですね。
通販未払いの時効は阻止できる
通販未払いには5年の時効がありますが、基本的に時効を利用して料金を踏み倒すことは不可能と考えてください。
なぜなら、ショップ側の様々な対処法により、時効を阻止することが可能だからです。
時効を阻止できるとなると、踏み倒しできる可能性は一気に低くなります。
5年間請求書を無視して代金を支払わなければ、債権が踏み倒されてしまうのですが、時効を阻止するために、ショップ側でも以下のような対策を練っているのです。
- 督促をする
- 債権回収業者に債権を浄土する
- 裁判所や財産差押さえを用いて法的措置をとる
ショップ側としては、踏み倒しは絶対に避けたいところなので、思った以上に大胆な対策をとっています。
通販の後払いを払わなかったらどうなる?
通販の後払いを滞納したままにしていると、場合によっては法的手段をとられる可能性があります。
ショップ側は未払いの顧客に対して、請求書を送付しているはず。請求書を無視し続けていると、督促状で催促がきたり、裁判所から連絡がくる可能性も。
通販代金の滞納を続けた行く末を、確認しましょう。
督促がくる
通販会社からの請求を無視し続けると、電話やメールで督促がきます。
電話やメールでの督促を無視していると、裁判所から郵便で内容証明の督促状がくる場合も。督促がきていると、すでに延滞金が発生しているケースが多いです。
支払い総額は増えてしまいますが、大問題になる前に、督促がきた段階で速やかに料金を支払いましょう。
債権回収業者への債権譲渡
一定の期間通販の代金を払わないでいると、法律事務所などを通して催促がきます。
ショップ側は自力での取り立てが不可能と判断すると、弁護士を雇って取り立てを開始します。
債権がショップから弁護士や法律事務所に移行することを、債権回収業者への債権譲渡というのです。一見強引な手法に思えますが、債権譲渡はショップ側に与えられた正当な権利。
身に覚えのない弁護士から連絡がきた際には、通販代金を請求されているかもしれないと思っても良いでしょう。
法的手段
通販代金を滞納し続けると、裁判所から差押えや強制執行などの法的手段をとられる可能性も。
差押になるケースは実際には少ないですが、内容証明による支払い督促など、法律に則った措置をとられるケースは少なくありません。
既に法に抵触する行為をしているので、いくら主張しても、代金踏み倒しは不可能です。
大事になって色々なものを失う前に、代金をしっかり支払いましょう。
通販の未払いによる法的措置等をまとめてチェック
通販で滞納を続けると、様々な法的措置をとられる可能性があります。
代金を滞納した場合に考えられる法的措置は、以下のとおり。
- 内容証明書
- 支払い督促
- 少額訴訟
- 被害届の提出
どれも受け取った側の精神的な負担が大きい措置ばかりです。
具体的にどのような措置内容なのか、確認しましょう。
内容証明書
通販代金を滞納した場合の法的措置として、内容証明書が挙げられます。
消滅時効を成立させないために、ショップ側は郵便局で内容証明書を作成して債務者に送付。1回の内容証明書送付で、消滅時効完成まで6ヶ月もの機関が猶予されます。
時効完成まで半年間も期間が伸びてしまえば、延滞料もどんどん増えて、踏み倒しは不可能になるでしょう。
支払い督促
後払い料金を払わないでいると、裁判所を通して支払い督促が行われます。
支払い督促をすると、裁判所の書記官から支払いを命じられることに。
いきなり裁判所から連絡がくると精神的な負担も大きいですし、更に大事になる前に支払いを済ませましょう。
少額訴訟
滞納が続くと、少額訴訟が行われます。
少額訴訟とは、60万円以下の請求が滞っている際に、裁判所で民事訴訟を行うこと。
もし少額訴訟の書類が家にきたら、まず裁判所尾へ連絡をして、指示を仰ぎましょう。
主張がある場合は、後日裁判所で支払いについて、ショップ側と話してください。
少額訴訟にも対応しなかった場合、差押えや強制執行の可能性も。この時点で既に大問題に発展しているので、代金を支払える場合は速やかに支払ってください。
被害届の提出
通販代金を滞納し続けると、警察に詐欺被害届を提出される可能性があります。
身分証明書を偽ったり、違法な商品受け取り方法をして料金を踏み倒そうとする人もいますが、最悪の場合詐欺行為とみなされるケースも。
詐欺罪で有罪になると、懲役10年以下の処罰など、具体的に法律が下される可能性もあります。
トラブルを避けるためにも、通販代金の支払いは絶対滞納しないでください。
後払いの踏み倒しは可能?ブラックになる?
通販の後払い料金を踏み倒しても、ブラックリストにはなりません。
ブラックリストとは、信用情報に滞納や延滞等の金融事故が登録されている状況です。
通販で代金を滞納した場合、信用情報にどのような影響があるか確認しましょう。
通販の未払いは信用情報に登録されない
通販の後払い料金を滞納しても、原則ブラックにはなりません。
ZOZOTOWNやPaidyなど、有名サービスにおける料金滞納に対する措置は以下のとおり。
サービス名 | 内容 |
---|---|
ZOZOTOWN | 1ヶ月以上延滞してもブラックにはならないが、3カ月を過ぎると危険 |
Paidy | 信用情報に事故情報が登録される |
自分が利用しているサービスによっては、信用情報に影響があることを念頭に置きましょう。
通販の未払い情報は共有される
通販代金未払いがあった場合、未払い情報がサイト上に記載されます。
後払い料金の滞納は基本的に信用情報には登録されませんが、情報が共有されれば各サービスの審査に通らなくなるなど、デメリットが多数。場合によっては、通販を利用できなくなる可能性も。
未払い者共有システムでは、氏名や電話番号などを検索すると、未払い者のデータを閲覧できます。
いくら滞納しているかも分かってしまうので、言い逃れはできません。
後払い決済や分割払いを利用できなくなる
通販で代金を滞納し続けると、後払いや分割払い利用が不可能になります。
分割払いや後払いを使えなくなった場合、一括払いで支払う必要が発生。
便利だからと利用していた後払いサービスに制限かかかったら、意味がありません。
通販の商品代金は、きちんと支払いましょう。
払えないときの対処法
どうしても通販の後払い料金を支払えない場合、対処法が分かっていれば精神的なストレスも軽減できるはず。
通販で買い物を楽しみたいけれど、これ以上料金を滞納できない人に向けて、対処法を解説します。
ショップに相談
延滞の事実から目を背け続けている場合は一度その思考を中断して、きちんと現在の自分の経済状況をショップに話してください。
災害や病気など、やむを得ない事情で料金を滞納しているケースもありますが、顔が見えない通販では相手の状況は分かりません。丁寧に自分のおかれている立場を説明しましょう。場合によっては、支払いを猶予してくれる可能性もあります。
不用品を売る
今まで通販で購入した流行りのファッションアイテムなどを、フリマアプリやリサイクルショップで売却すれば、思った以上にまとまったお金になるはず。
ブランド品をよく通販で購入する人は、質屋を検討しても良いでしょう。
一刻も早く代金分の金額を確保して、支払いに充当してください。
親や友人にお金を借りる
お金をどうしても用意できない場合は、身近な友人や親に相談してください。
自分の経済状況や支払い状況を丁寧に説明すれば、親や友人も融資してくれるはず。お金を借りた場合は、きちんと借用書を作成しましょう。
借りたお金は、代金を支払ったら速やかに友人や親に返済してください。信頼関係を崩さないためにも、返済は滞りなく行うようにしましょう。
クレジットカードのキャッシング枠を利用する
クレジットカードにキャッシング機能が付与されていないとキャッシング枠は利用できませんが、スピーディーに現金を確保する手段としてはおすすめです。
キャッシング枠を利用した場合は、返済に困らないよう毎月の支出管理は徹底しましょう。
カードローンを利用する
多額の滞納金がある場合は、消費者金融や銀行のカードローンでまとまったお金を融資してもらってください。
カードローンの場合、金利が少し高いですが、自分の好きなタイミングで返済が可能。審査も最短数十分で終了するので、即日融資を期待できます。
1,000円単位での借入もできるので、滞納料金が少額の場合にもおすすめです。
アコムやプロミスの大手消費者金融だと、初回利用で最大30日間利息0%の期間を定めているケースも。
給料日を待っていたら支払い期限まで時間がないといった場合は、無利息キャッシングで代金を支払い、速やかに返済を済ませましょう。
ただし、カードローンは20歳未満や高校生は利用できません。
使用する金融機関の条件をしっかり確認してから申し込みましょう。
身に覚えのない未払いの請求がきたら?
通販で支払いを滞納していないのに請求がきた場合、考えられるケースはいくつかあるでしょう。
もし身に覚えがない請求がきたらどう対応すれば良いのか、解説します。
支払ったのに未払いで請求がきたら
支払い督促で身に覚えのない請求がきたら、2週間以内に異議申し立てをしましょう。
訴訟手続きが始まり、利用者本人と通販会社が裁判所を通じて話し合う形になります。手続きが少し億劫ですが、支払い督促がきていると精神的な負担も大きいはず。
2週間以内と期限が定められているので、おかしいと思ったら早めに準備に着手しましょう。
詐欺に注意!
身に覚えのない代金請求がきた場合、詐欺を疑ってください。
昨今、メールやショートメールで、通販会社とよく似た会社名で架空の代金請求をする詐欺が横行しています。
架空請求メールには業者が取り立てると記載されている場合がありますが、本に覚えがない場合、無視してかまいません。
メール本文をよく読むと文章に違和感があったり、会社名が微妙に違っていたり、おかしい点がたくさんあるはずです。
法律事務所などの電話番号が記載されている場合は、実在する事務所か、まず調べてみましょう。
学生や高校生など若い人を狙った架空請求詐欺が増えていますが、間違った対応をするとトラブルに巻き込まれてしまいます。
明らかに詐欺と分かる場合や、料金を支払ったのに請求された場合は、メールを無視してください。
通販の未払いにはリスクあり!早めに支払いを済ませよう
通販の後払い料金に時効はありますが、基本的に踏み倒すことは不可能です。
時効を迎える前に、法的措置をとられるケースが大多数。
最悪の場合、差押えや少額訴訟の可能性もありデメリットが大きすぎるので、通販代金は滞納しないでください。
どうしてもお金に困った場合は、対処法がたくさんあります。
家族や友人に相談したり、不用品を売るなど、工夫すればすぐに商品代金を工面できるでしょう。
今後も快適に通販を使用できるよう、時効を待って代金未払いにする行為は絶対避けたいですね。